2009年3月28日土曜日

利根川水系片品川 無理です、5m以上もある堰堤越えなんて!

ETC割引を記念して群馬県の片品川に遠征しました。へたっぴカヤッカーさんから情報を頂いたり、渓流釣り関連の資料からいろいろ検討を重ね、とりあえず出来るだけ上流から利根川との合流地点まで下ろうということで、群馬県を目指して花園氏、G君、小生の3人のパーティーで我々にとっての片品川ファーストディセンドに挑戦しました。

先週一足先に片品川へ下られたへたっぴカヤッカーさんには川相を教えて頂きました。だだ何を勘違いしたのか、へたっぴカヤッカーさんは下久屋町の堰堤よりもさらに上流の道の駅周辺からエントリーしたと勝手に思こんでいたので、この2,3階だてのビル程の高さがある堰堤をどう越えたのか現地で途方に暮れてしまいました。まずはダム付近を歩いて調査することにしました。

堰堤越えは高さはあるものの、堰堤下のリサーキュレーションの大きさとボトムの深さ次第ではやれない事はないと恐ろしい考えが一瞬よぎりましたが、まずはセオリーに従いポーテージルートを探しました。しかし...見つかりません。と言うことはへたっぴカヤッカーさんはまさかこの堰堤を越えたのか!?1-2mの堰堤でもハイドロリーリックに巻き込まれたら最悪の事態の可能性もあります。そんな馬鹿な事はするはずがないという結論に達しました。正気に戻り、今回は素直に堰下久屋町の堰堤直下からスタートしました。

エントリーポイントを探して散々ダムの周囲を歩き廻り、1時間近くロスしてしまいましたが、副産物としては偶然ダムからtake outするポイントを見つけることができましたし、堰堤の下のput in地点も見つける事が出来ました。時間を随分取られましたが、次回の上流部攻略の際のリサーチにはなりました。


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まずはゴール地点に集合。昭和ICから5分もかからない場所です。添付の地図を参考にしてください。




ここで着替えてからput-inの検討に入りました。堰堤の下の情報はへたっぴカヤッカーさんから教えて頂きましたが、上流部はクリークという情報もあり、出来るだけ上流部からの下降が今回の目的でした。



ゴール地点です。水位、水量を見て不安に。雪解けで水量、水位は増えていると思ったのですが明らかに渇水です。こんな状態でダウンリバー出来るのでしょうか?取りあえず上流に向かいました。


Take out地点の橋。この橋の左側から川へ降りられます。釣り師もこの付近には多いのでトラブルに注意してください。


堰堤です。ポーテージのルートはありません。水はチョロチョロ落ちていて、ダム下のリサーキュレーションはこの日はありませんでした。しかし鬼怒川なんかの堰堤越えと違って高さがあるので、近づかない方がいいでしょう。



堰堤上部から。下の様子はここからは全く見えません。


堰堤上部から下流部を望む。関越の橋脚が見えます。


写真左が魚道です。上流からはこちらもアクセス出来そうにありませんでした。


堰堤以下の下流部分の核心部はスタート地点にあります。堰堤のプール下の落ち込みとそこから30メートル先の落ち込みです。最初の落ち込みも一応核心部と言われていますが、本日の水位では問題ありません。


まずは堰堤直下のプールからいきなり核心部へ突入です。だだし当日は水量、水位は激減しており、このポイントが核心部とはいえない落ち込みです。

今回はビデオ撮影に一工夫してあります。今までカヤックの撮影方法には随分悩みいましたが、今回は後ろから正面を撮っているのでかなり臨場感があります。パドリングも体の動、艇の動きもよく分かるビデオだと自画自賛しております。まだカメラの固定方法に難があるので改良の余地はありますが、とりあえず素人のカヤックのビデオとしてはいい感じに仕上がってると思いませんか?




そしてここがlowerのメインコースの核心部。鬼怒川の篭岩とどことなく雰囲気が似ています。高さは篭岩程ではありません。もう少し水量があればコースの選択肢が広がるのですが、今回は狭いルートに艇を落とし込むヒーローコースを選択。手前のエディーに一旦入ってから艇を真横に向けて進入しましょう。丁度進路を塞ぐように岩が落ち込みの入り口に出ています。落ち込みの右側ギリギリを狙ってください。なお、岩盤の左岸寄りからドロップするルートもあり、素直な落ち込みなので左岸寄りを落ちるのが一般的だと思います。なお、この区間はポーテージする事も可能です。



今回はこの川の情報が少なく、しっかりとレスキュー体制を整えて臨みました。準備をしている時に近所の非常にフレンドリーなおじさん方に囲まれてましたが、この核心部は2カ所ともギャラリーとしておじさん達が黄色い声援を送ってくれました。おじさん達によりますと、片品川でカヤックをしている人は見たことがないとの話でした。花園氏によると釣りをしている方からも同様のコメントがあったそうです。因みに釣り師は関越の橋脚手前の左側に集中しています。二股にコースが分かれますので右側のコースを取り、釣り師を回避してください。右側のコースは一気にドロップします。多分増水していればホールが出来そうなポイントです。途中で釣り師に何度か遭遇しますが、挨拶をすれば返事が返ってきて感じのいい方ばかりでした。


花園氏の勇士です。彼は昨年の9月にカヤックを始めたばかりですが、難度が高いゲレンデばかりチャレンジしています。周囲に集まった近所のおじさん達の声援が動画にも録音されていて、賑やかな挑戦だったのがわかります。


さて右岸寄りのルートですが、水量があれば岩盤の切れ目の両側にピローが出現、そこからブーフ出来そうです。しかし、本日は選択肢がありません。この狭いV字ルートに無理矢理艇を突っこみます。ルート下にログが詰まっており、処理してから下りました。

現地で確認すればわかりますが、このV字ルートの流れの先はテトラが敷き詰めてあります。丁度写真を撮ってる場所がテトラで護岸されたポイントです。このルートは当日のコンディションでリスクを十分考慮して判断してください。


G君の勇姿。探検部出身のG君は実に素朴でいい男です。3人の会話の中で、たまたま六本木ミッドタウンが話題になりました。彼はその場所も、ミッドタウンが何を意味するのかも知りませんでした。都内の大学に通い、卒業後全国区の有名企業の工場に勤務していながらミッドタウンを知らないなんて...。本当に純粋で夢をもったいい奴です。無垢な彼には感動しました。




険悪な場所は特にありませんが、要注意ポイントが3カ所。まずはスタート地点の核心部メインコース。右側のルートはストレーナーが出来やすそうな形状です。また、流れの延長線上にはテトラが敷き詰めてあります。下る前に確認した方が賢明でしょう。2番目は関越の橋脚を下ってしばらくすると本流上にテトラが数個あります。現在の位置では横方向に穴が開いていて、ピンニングする可能性は少ないと思いますが、増水で位置がずれるそのままテトラの穴に刺さります。写真でG君が正対している方向は流れの90度方向です。



3番目はブラインドになっている落ち込みの右側にある木枠の構造物。10メートルぐらいに渡って川岸に敷設してありますが、増水時は要注意。位置を正確に特定出来ていませんが、雪解けの増水時期を狙って近々また行きますので、川地図に要注意箇所を記録しておきます。



とにかく岩が多くてルート取りが大変です。途中に長いトロ場がありますが、全体的な川のリズムは桂川の方が断然上だと思います。難度については平常水位、増水時等を経験してないのでなんとも言えませんが、山梨県の桂川と同等クラスではないでしょうか。水質は桂川よりは上ですが、御岳よりは落ちます。


結構トロ場が長く感じました。個人的にはこのトロ場の長さが間延びして感じられたれ、桂川よりアドレナリン放出レベルのポイントを下げました。


底を擦らないように右へ左へと大変でした。



もう少し水量、水位があれば楽しめる瀬が沢山ありました。


初めての川だったのでスカウティングをしながら下ってput inからtake outまで3時間以上かかりました。次回はだいぶ楽になりそうです。利根川水系は雪解けのこれからが楽しい時期です。しばらく片品川には通いそうです。

2009年3月15日日曜日

快晴だぜ、桂川ダウンリバー

週に続き日曜日も桂川へ出撃しました。実は土曜日にTakeさん、ラナパパのパーティーで桂川を下る約束になっていました。しかし当日の雨模様で小生はあっさりと断念。雨中のカヤックはモチベーションが全く上がらず、苦手なんです。しかしながら午後から恐らく雨が上がると見込んだTakeさん、ラナパパ、G君、すじぽん、さちちゃんは雨模様にも躊躇せずに現地に向かいました。午後には降り止んだ間隙を狙い、大月の水位が1.75mという絶好のコンディションでDRを楽しんだ模様です。丁度小生が先週核心部で恍惚の魔界を見たコンディションと全く同じ状況で、アドレナリンレベルの高いダウンリバーだったようです。



さて、絶好のコンディションでDRする仲間を尻目に天気の良さそうな日曜日はどうしようか思案していたところ、土曜の夜にTakeさんから連絡があり、日曜日も桂川でDRするとのこと。今回は昨日おいしい思いをしたラナパパは回送役を担い、ラナママが桂川デビューと相成りました。桂川の水量は昨日から大きく減り1.35m程度となりましたが、落差があり、岩が多く、コース取りが比較的難しい桂川はこの水位でも、増水時とは違った意味での難しさがあり、DRを十分楽しめます。


川太郎はおとなしくて良い子です。大きくなると隣のG君のようになるのでしょうか。


スタート地点です。このポイントには釣り師とたまに遭遇します。今回は遭遇した釣り師は一人のみ。


ラナママ。育児のストレスも発散できたことでしょう。


さちちゃん。オレンジのNRSバンディット。


ラナママは雰囲気までラナパパに似てます。そういえばコース取りまで一緒でした。ラナママにとっては初めての川なんですが、不思議です。因みにそのルートを通った人は他にはいませんでした。


Takeさん。渋い表情ですね。二日連続の桂川。


今回はTakeさんが撮影をしてくれました。左がエアー社のフォースを駆るTake-san。


G君も二日連続で桂川DRです。昨日のパワーには圧倒されたようです。

思わず笑顔がこぼれるDRでした。



G君。この日は沈脱1回。桂川は御岳よりもはるかに難度が高い川ですが、増水していてもチャレンジする勇気には敬服。


写真で見ると迫力あります。増水時のこの区間はさらに過激です。


ラナママです。こういう写真は動きが見えて好きです。こちらもTakeさんの作品。


さちちゃんです。Takeさんの連続写真。アングルも絶妙です。




さちちゃんはフォトジェニックなのでカヌーライフの表紙で採用していただきたい。



すみません、カメラ目線です...。Takeさんは本当に写真が上手です。


カメラを意識してます。


顔つきまでカメラ意識してます。


しっかりカメラを見つめています。


カメラ目線にカメラ用の顔です。確か、なにか叫びましたが忘れました。失礼しました。


Takeさん、すばらしい写真ありがとう。

2009年3月7日土曜日

桂川プチ増水、惚れ直したぜ桂川!

晩確認した大月の水位は2mを越えていました。最近は渇水期の桂川を水位1.2m前後でもダウンリバーしていましたので、まさに久々の増水です。自宅を出る前に確認してもまだ1.75mあり、前回よりも50cm程水位が高い状況です。現地での目視でも明らかに普段より水位は高く、パワーもありそうです。金畑橋に駐めた車から川を見下ろすだけで、アドレナリンの放出を感じます。

今回のDR区間はあけぼの橋から塩瀬大橋までのセクションです。この区間についてはこちらのサイトが非常に丁寧に解説していますので、桂川をダウンリバーされようとしている方はぜひ参照してください。通常は塩瀬大橋下流の鮎おとり売り場駐車場をtake out地点とするのですが、四方津のtake out地点がこちらのサイトに記述されていました。以下の写真の通り桂川清流センターにかかる金畑橋より下流の瀬は川幅が急激に狭くなっていて、アドレナリンレベルが高そうです。次回はぜひ四方津までのロングランに挑戦したいと思います。

閑話休題。先週解禁になった渓流釣りですが、本日はDR区間で4名に遭遇しました。そのうち一名は非常にフレンドリーな方でした。この区間は鮎釣りの期間を除いては意外と釣り師が少ない印象です。鳥沢ホールも含めてカヤッカーは残念ながらゼロでした。桂川は御岳よりもアドレナリンレベルが高く、クリークのようにストップ&ゴーを繰り返さずリズムよく下れ、尚かつ適度なスリルのある首都圏で唯一の川ではないでしょうか。今回のダウンリバーで桂川を惚れ直してしまいました。レスキュー体制を整えぜひチャレンジしてみてください。

今回のDR区間外ですが、金畑橋直下の瀬は実にナイスです。塩瀬大橋鮎おとり売り場駐車場より下流は下ったことがありませんが、この区間は川幅が急激に狭くなっており、本日の水位では上から見ていても迫力満点です。
瀬のパワーに圧倒されながら、口に出てきた言葉は「今日で何回目だったっけ?」 昨年9月からカヤックを始めた花園氏は、大人買いで一式をNRSで調達してから間髪いれずにドライスーツをこれまたNRSで調達。パドルもATのカーボンシンメトリックを購入し、ギアに関しては全くスキ無し。オフシーズンにも関わらずこの6ヶ月で既に30回弱の川下りをこなしております。花園氏は趣味のゴルフも完全封印状態で川へ繰り出しております。

囂々と音を立ててボイルする眼下に広がる情景にニヤリと笑みを浮かべ、身長190cmもあるラガーマンは身を竦めて「今日は漂流するかも...」と一言。しかし彼は全く怯んではいないのです。花園で高校ラグビーの頂点を極め、学連、早慶戦で活躍した一流アスリートは流石に違います。

桂川清流センターに続く金畑橋より直下下流を見る。橋の上からも聞こえる轟音。今日はヤバイ。


金畑橋より下流全貌。狭窄する区間がまだ先にも見えます。はっきりとは見えませんが、この水量だと迫力ありそうです。この区間は面白いかも。


核心部下流の以下のポイントは流れも速く、パワーも十分です。花園氏は流速に比べてスピードに乗り切れててません。かなりやばいです。思わずスローロープを持つ手に力がはいりました。おまけに岩に乗り上げ大幅に減速。このスピードでは巻き戻されると不安がよぎるものの、無事クリア。ウェーブのトップを力ずくでパドリングして難局を乗り越えました。

キャンプ場前核心部です。


桂川は廃業した桂川キャンプ場前が最初の核心部、このポイントの先の落差のある瀬と左にクランクした最後の落ち込みが核心部その2です。最後のドロップまでの瀬は増水している時はかなりエキサイティングです。今回は増水の影響もあり周囲の岩の反射波が複雑なうねりをつくっていて、もみくちゃにされながら落ち込みに突入しました。二人ともクリーンクリア。ある特定の水位の時にその瀬と共鳴するような...増えすぎても、少なすぎてもいけなく、その水位で初めて現れる魔界、何度もこの場所を下っていますが、初めて見た世界でした。桂川は2回目の花園氏は大興奮。鼻血ブー(世代がわかりますね)。


流れが速く、瀬が潰れています。



画面中央の岩は普段はオーバーハングになっていて、水位が少ない時はこの岩ギリギリを狙うのですが、殆ど水没してます。ここは落差があるポイントで、大きなバックウォッシュが出来てました。距離があり、太陽光が反射して分かりにくいですが、花園氏のオレンジバンディットが思いっきり反り返ってます。


本日はさすがにサイストラップを思いっきり引き締めて下ったのですが、フッドペグ代わりのスウォートで力んで踏ん張りすぎたのか、足がかなり疲れました。バンディットを検討されている方が最近多いようですが、バンディットのスペックを引き出すには、オプションのサイストラップとスウォート(乃至はフットペグ)は必ず準備された方がいいと思います。クリークに行かず、緩やかな流れを下るのみならば必要ありませんが、そういう方は恐らくバンディットを買わないと思いますので、サイストラップとスウォートはあえて絶対必要と申し上げておきます。リジットよりはもちろん安定していますが、普通のダッキーよりは反応が鋭いので、シビアに乗るならばサイストラップとフットペグ代わりのスウォートがないとコントロールが難しいでしょう。

バンディットは今回のような荒れたコンディションだと実に頼もしいです。


7日の朝に栃木県、黒羽の水位は107cmと普段より30cm上がり、那珂川上流那須地区アタックには絶好のタイミングと思いましたが、桂川よりはるかに川へのアプローチが樂な那珂川は釣り師が沢山でていそうなので、断念しました。結果的には桂川で大正解でした。渓流釣りが解禁になったばかりなので、那珂川は暫く様子を見た方がよさそうです。

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2009年3月1日日曜日

久しぶりだぜ長瀞!

週は、実は那珂川上流那須地区の初降下を狙っていました。ビデオやブログを見る限りは桂川クラスの難度と思われます。福島県の摺上川に加えて増水したらぜひ下ってみたい川の筆頭格です。(那珂川は那須温泉、摺上川は飯坂温泉と名湯に恵まれた川でもあり、由緒正しき旅館に泊まりながら豪華大名川下りを狙っています。もう年なんで、キャンプはちょっと...。)

毎日確認していた黒羽の水位も90cm近くまで上がり、100cmが目安と言われていたので決行出来ると意気込んでいましたが、残念ながらメンバーが集まらず今回は延期です。那珂川の上流区間、疎水公園より上流は情報も少ないですが、それだけに非常に気になるルートです。増水した時だけしか下れない区間が多く、どこまで上流に行けるか検討もつきませんが、出来るだけ上流から下ってみたいと考えています。


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結局、仕方なく渓流釣り解禁日を避けるように長瀞に出向きました。他の多くの川が本日解禁となっていますが、長瀞は3月7日に解禁となります。以下の写真の皆野中学裏にニジマスが放流されるとのことです。暫くはここからはスタートしづらいでしょう。


岩畳も夏から秋の喧噪とは打って変わってひっそりとしています。先週の日原川の記憶が鮮明にあるため、長瀞の水の汚さが気になってしまいます。御岳よりはるかに水質は悪いでしょう。桂川と良い勝負といったところです。

鉄橋下。パワーは全くありません。小滝も同様です。



岩畳にて。今年はNRS Banditが各地でブレークする気配。しかし個人輸入となるので、静かなブームといったところか。


花園氏も日頃の運動不足を解消すべく鬼漕ぎです。樋口のキャンプ場まで下りました。

帰りに焼き肉食べて、本日も消費カロリーと取得カロリーはプラマイゼロ!。