2010年8月30日月曜日

聖地巡礼750kmの旅:万水川、犀川、和知野川を下った週末-1/2

本のパドラーの聖地といえば何処でしょうか?メディアの露出度から言えば少なくても四万十川、万水川の二つは堅いところだと思います。今までそのどちらにも巡礼したことがありませんでしたが、今回やっと万水川に巡拝することが出来ました。


雑誌やブログで何度も見たことがある水車のある万水川の原景。透き通る川には水草がたおやかになびき、水車が川の流れに呼応してゆるやかに回る。絵葉書のようなこの構図は、この構図にカヤッカーが収まることにより観光地がパドラーの聖地に昇華します。8月最後の土曜日にやっとこの場所に巡拝できました。







川の様子に関しては、あえて僕が語る必要もないぐらい人口に膾炙されていますが、万水川も犀川もストレートで変化に乏しく大味です。この川は川で遊ぶというよりも、絵画的な構図のオブジェの一つにパドラーが溶け込むというのが教義なのではないでしようか。











合宿に参加したメンバーは普段の当ブログに頻繁に出てくるパドリングパディーとは別の親友です。責任の重大さとプレッシャーの大きさが仕事というのが、いつもの仲間と全く一緒です。どういうわけか自分も含めて平日の仕事が臨界点に達している連中が身の回りのパドラーに多いのは、単なる偶然なんでしょうか。岩の間を抜けて行くときに余計な事を考える暇はありません。邪念、雑念を振り払うには、適度な緊張感のあるゲレンデを下るのが一番いいみたいです。脳は所詮シングルプロセッサーですので、複数の思念を同時に扱うことは出来ませんから。








今回の合宿は、初日は万水川、犀川を下り二日目は和知野川を下るというプランです。宿は万水川近辺では定番の有名な宿です。宿の評価は各種口コミではすこぶるいいのですが、バイキング形式の食材は業務用を調理した物が多くちょっと残念でした。ただし宿の価格設定を考えればコストパフォーマンスは高く、高評価とも言えます。雰囲気があり、非常にリーズナブルな宿だと思います。




















我々が犀川を下る2時間程前に不幸な事故があり、パドラーが木戸橋の橋脚にラップして亡くなられたそうです。犀川は大河で、大味で変化の乏しい川相です。我々はそれ程大きくない犀川のウェーブ見つけては拾い、遊びながら下ってきました。木戸橋は左側の岩盤上に区間で一番大きなウェーブがあり(といってもせいぜい50-60cm程度だったと思います)、我々はそのウェーブに向っていきましたが、このウエーブを避けようとして右側に寄り橋脚付近の複雑な流れに巻き込まれたのではと推測しています。


Takeout地点のマレットゴルフ場に到着した際、その時点では行方不明だったパドラーを捜索中の警察から初めて事故を知らされ全員絶句してしまいました。心よりご冥福をお祈り致します。

2010年8月23日月曜日

御岳Craze, OMG! こんなにカヤックする人いたんだ!

8月22日は町内会主催の町内清掃の日です。今年はくじ運が悪く、町内会のブロック長になった我が家の前が町内清掃の集合場所でした。同居人に掃除を任せ、町内の清掃に臨む善良な市民の衆目を集めながら、カヤックの準備をするのは折りが悪い。申し訳なさそうに自宅を後に一路御岳へ。

本日は柿の種仙人のディーゼル70進水式。目映いばかりの赤。赤は古来魔除けの色。川での安全のシンボルでもある。還暦には仙人はまだ早いが、還暦艇とも言えそうな美しく映える赤い艇。仙人もご満悦の様子。


















ヒーローとほぼ同じ大きさのディーゼル70。



















還暦レッドがまぶしい。















ラフト、パドラーは今年一番の賑わい。テニスコートの駐車場は身動きまったくとれない程の車。駐車場入り口のクランクにも車が駐めてあって、テニスコート入り口でのガードレールへ自損事故2件目撃。





































放水口の駐車場も坂道の両側に駐車されていた。





















お昼は吉野街道から少し離れた場所にある梅の内さん。古民家を改造した蕎麦屋さん。囲炉裏を囲んで蕎麦を食する風情のあるお店です。とにかく目立たず、判りにくい場所にありますが、個人的にはこの近辺で気に入っている蕎麦屋さんの一つです。お店に辿り着くまでの道がかなり狭く、店舗への路地へは僕のAudi Q7(全長5m,全幅2m弱)では何度も切り返しをしなければ入れません。しかもギリギリの幅で、誘導なしではお店の駐車場へは行き着くことは難しいです。(大型車の場合は車幅感覚に自信がなければ確実に擦ります。)大型四駆、大型のワンボックスの方は近所の即清寺付近に公営の無料の駐車場がありますので、そちらに駐車するのが吉です。





















こちらのお蕎麦は非常に繊細です。鹿沼で大胆な田舎蕎麦を食べたばかりでしたので余計にそう感じたのかもしれません。1時30分ごろに入店したのですが、僕達の分で本日打った蕎麦は終了。ギリギリセーフです。仙人とノンアルコールビールで乾杯。




















御岳はいつ行っても本当に楽しい川ですね。残り少ない夏を堪能しました。

2010年8月21日土曜日

鳩ノ巣渓谷を下ったことありますか?:白丸ダム下から奥多摩フィッシングセンターまで

岳の定番コースは放水口からテニスコートまででしょう。これより上流部を下ったことがあるパドラーは非常に少ないのではないでしょうか。僕の場合、放水口より上流は多摩川支流の日原川大澤国際鱒釣り場から白丸ダムまでは制覇していますが、白丸ダム下から奥多摩フィッシングセンターまでの区間、つまり今回の鳩ノ巣渓谷を含む区間は実は未踏区間でした。前半のクリーキーなセクションと、後半の癒し系のセクションのコンビネーションがいい按配だと聞いていましたが、その通りでした。




8月15日に念願の鳩ノ巣渓谷を下ってきました。ガイドはおなじみ新進気鋭のアウトフィッター、Class5の柳本さんです。パドリングバディーはいつものへたっぴカヤッカーと、今回はじめてお目にかかった女性パドラーNさんです。柳本さんから「Class5に入門された方で、滝落ちをしたいという、南極三号のような女性がいる」。と聞いていていましたので、へやっぴカヤッカーは思わず「滝落ちしたいというのは、あなたですね!」と挨拶。どうやら人違いだったようで、普通のカヤックを指向されているNさんをびっくりさせてしまったようです。大変失礼しました。


白丸ダム魚道管理棟駐車場からダム下までは御岳の寒山寺よりも長く、急な勾配をカヤックを担ぎながら歩きます。クリーク艇を運ぶにはかなりハードな道のりです。僕はピラニアのポーテージパックで背負子のようにカヤックを担いでプットイン地点まで歩きました。


















ポーテージパックはNRSからも販売されています。因みに以下はちょっと変わったタイプのキャリア。平地の移動は良さそうですが、カヤックと体が固定されていないので山道は向いてないような気がします。



Jackson Villainはやはりこういう景色だと絵になりますね。
















桧枝岐合宿より絶好調のへたっぴカヤッカー。自信に満ちた会心のパドリング。





















核心部のひとつ。





















核心部その2の手前エディー。この下はシーブになっています。





















核心部その2を下から見る。絶対スイムしてはいけない区間。






















Nさんはポテ。核心部はすべてポテ出来ますが、核心部2はロープを使ってカヤックを下ろさなければなりません。適切な機材と準備が必要です。


















後半からは癒し系の瀬と変わります。





















鳩ノ巣渓谷は前半はクリーク、後半は癒し系という対比がとてもユニークです。御岳の奥座敷というロケーションの良さもいいですね。前半部はブラインドの落ち込みや、シーブがあるので、この区間をチャレンジしたい方は、Class5のツアーに参加された方が安心だと思います。

2010年8月16日月曜日

再び大芦川を下る:オヤジ達の夏休み

た行っちゃいました、大芦川。8月10日火曜日に休みを合わせておやじ3人で仲良く栃木県鹿沼市まで遠征です。半世紀以上生きているおじさん達ですが、疲れきったご同輩とは活性度が違います。アドレナリンの出方が違うんです。今回もまたパンプアップしちゃいました。

















メンバーは大芦川はファーストディゼンドの柿の種仙人へたっぴカヤッカー、そして小生の半世紀クラブ(?)です。大芦川は前回行った時よりもさらに水位が低く、岩場はさらにチャレンジングになっていましたがマネジャブルな状況でした。「御岳より若干上だが桂川より下」と柿の種仙人がコメントしていますが、その通りだと思います。














































































大芦川は核心部を除くとフレンドリーな瀬と美しい瀞場の連続で、ストレスなしで楽しく下れます。極上の透明感と鹿沼そぼ、そして首都圏、高速からのアクセスの良さが売りの人気急上昇中のフィールドです。このブログも大芦川を検索キーワードにして訪れる方が最近一気に増えました。

さて、今回のハイライトは実は川遊びでした。Take out地点の天王橋の欄干からダイビング。いやー、実に楽しかった。少年時代の夏休みが蘇りました。

2010年8月12日木曜日

桧枝岐合宿: 桧枝岐川でロックンロール

枝岐合宿はいきなり宴会から始まりました。土曜日に男鹿川で漕いだ南極3号、ヤリサ、Actonはそのまま福島県南会津の木賊温泉に向い、他のメンバーとは宿で落ち合う段取り。今回の合宿のメンバーは上記3名に加え、おなじみのへたっぴカヤッカー柿の種仙人府中人、そしてゲストパドラーとして福島カヌー教会から元やんが参加しました。
Van HalenPanamaでSki Nowを思い出す人はどれぐらいいるのかな。このリフを弾きまくったギター小僧も多いと思います。カヤックの動画でずっと使いたかった曲なんです。画像はメンバーが撮影した素材の寄せ集めですが、僕のカメラは1080PのフルHDで撮影してます。以下のAnimotoのHQオフションをオンにしてご覧ください。


今回の宿は、岩魚のフルコースが頂けるという木賊温泉の福本屋さんです。当初は桧枝岐で宿泊予定でしたが、真夏に開催される桧枝岐雪祭りと重なっていたため、違いの分かる大人達が納得するであろうと目星をつけていた意中の宿はもちろん、村内の宿はどちらも満室状態でした。幹事の小生は、いきなり窮地に追い込まれました。しかも7月の北海道合宿ではへたっぴカヤッカーさんが幹事で、レベルの高いオーベルジュ等をさらりと手配、宿と食事のクオリティーの高さに打ちのめされたばかり。プレッシャーを感じながらも、評判を頼りにやっと見つけた宿が福本屋さんでした。
















福本屋さんのスペシャリテーは岩魚のフルコース。囲炉裏を囲んで岩魚づくしというのは、風情があります。ワインコノソアなメンバーが多いので、厳選したワイン4本を持参(持ち込み料金もリーズナブル。気持ちよく了承していただきました。)、あっさりして淡白な岩魚に舌鼓を打ちました。

















食事が終わり部屋に戻ってからも宴会は続き、酔いが回ったころに全員で露天風呂に行きました。木賊温泉といえば混浴の露天風呂です。修学旅行のように大はしゃぎで、楽しいひと時を過ごしました。














翌日はいよいよ桧枝岐ミドルからの降下。桧枝岐川は下るという表現ではなく、降下という言葉が相応しい川です。もうこの川を何度も降下していますが、スタート直後からいきなり先が殆ど見えない落ち込みが迫り、ドンドンドンと叩きつけられる川相はまさに川下りというソフトな表現より降下という言葉が相応しいと思います。とにかくドンドンドン。ドンドンドン。ドンドンドン。そのうちこのドンドンドンという音がつながってきて、ドンドンドン、ドンドンドン、ドンドンドンドンドンドンドン! ドンドンドン、ドンドンドン、ドンドンドンドンドンドンドン!そうなんです。三三七拍子のリズムに聞こえてくるんです。このリズムが心臓の鼓動と同期してきます。これでは不整脈ですね。三三七拍子の不整脈に景気づけられながら降下すると、誰もが桧枝岐川の虜になっている自分に気づいているはずです。

































































桧枝岐川に興味がある方は、安全に降下するためにもこの川を良く知ったアウトフィッターにガイドをお願いするか、Class5主催のツアーに参加するのがいいと思います。そして桧枝岐川といえばClass5を主催されている柳本さんでしょう。桧枝岐川のコマーシャルツアーを現在唯一企画しているのがClass5です。8月末と秋に桧枝岐川ツアーが企画されているようです。興味がある方はぜひ柳本さんに連絡してみてください。カヤックをやっていて本当に良かったと思える素晴しい川です。