NBCの花形スポーツキャスターだった著者は、ソールオリンピック、バルセロナオリンピックではオリンピックの花とも言える陸上競技、水泳を担当した。しかしその後のアトランタオリンピックではボート、カヌー、カヤック担当。これらの競技を見るのは選手とその家族ぐらいで、おまけに放送時間は朝の7時。失意のどん底に落とされた。
不本意ではあるが競技を全く知らない著者は、競技を知るために選手達に無邪気な質問をし始めた。まずは初歩的な質問。「もし雨になったらどうするんですか」すると、「それは僕のボートの外のことだから」という答えが返ってきた。
「もし風にあおられたら」....「それはボートの外のことさ」
「オールが折れてしまったら」...「そうなったらもうボートの外の話さ」
著者がようやく理解したことは、ボート選手達の関心は自分の力が及ぶことだけに限られている。それはオリンピックでメダルを取ることであり、ボートの中にはそれしかなかった。「それは僕のボートの外のことさ」この答えこそとても大事な生き方のヒントだった....
That's outside my boat「それはボートの外のはなし」。自分がコントロール出来ないことに惑わされない、というテーマで著名人の逸話が55集められている。読者の精神状態とうまくシンクすれば、心休まるかもしれません。テーマの設定以外にはカヤックネタは出てきません。既に絶版です。Amazonでusedを購入。
4 件のコメント:
素晴らしい話ですね。Actonさんの要約も良いので、もうその本全、体がわかったような気になってしまいます。まるで禅僧の逸話のように感じます。私もそのように解脱したいものです。
仙人さん、コメントありがとうございます。興味がおありならば27日に持って行きます。お借りした本もずっと借りっぱなしですみません。今年のriver of the yearは間違いなく桧枝岐川。お借りした本でさらに桧枝岐への思いが募りました。桧枝岐川についても総集編を書かなきゃな...。
「それはボートの外のはなし」・・・薄学のワタクシ、早速頂きました!
ところで、2009年間ベスト1が檜枝岐ですか。ますます行ってみたくなりました。ご一緒させて下さい・・・水の少ない時に。
ソラさん、コメントありがとうございます。桧枝岐川は福島県の宝です。来年はこちらこそぜひご一緒させてください。とにかく凄いですよ、色々な意味で。
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