2009年8月10日月曜日

桧枝岐川:悶絶!突然のパドル消失でノーパドルで桧枝岐川ミドルを降下

KCT(カエルクリークチーム)の夏合宿で桧枝岐川へ遠征して来ました。桧枝岐川にはパドラーを虜にする不思議な魅力があります。桧枝岐という民俗学的にも非常に濃密な土地の縁もあるのかもしれません。気がつけば今回の遠征で、今年4度目の訪問となりました。


より大きな地図で 伊南川(桧枝岐川)リバーマップ を表示


桧枝岐川の魅力は瀬の数、長さ、落差、岩の配列とリズム、ブラインドになった瀬、水質、景観、そして春先と増水時のみにその片鱗を見せる圧倒的なパワーウォーターです。関東から200Km圏でこの色香を放つセクシーな川は他に見当たりません。難度は高いですが(山梨県桂川栃木県那珂川那須地区上流より最低一ランク上)、手が届かない程ではなく、アッパー区間を除けばミドル区間より下流は険悪な箇所もありません。下調べをし、レスキュー体制を整え、リバーバディーを注意深く選べば、桂川クラスを下れる技量があれば十分楽しめる川です。

夏合宿の参加者はKCTの南極3号、へたっぴカヤッカー柿の種仙人、府中人、Actonそしてゲストで参加したH夫妻の総勢7名のパーティーです。今回は合宿ということで、まずは宿にこだわりました。初めは大名川下りよろしく、上げ膳据え膳の豪華旅館に泊まろうという企画だったのですが、あれこれ調べているうちに月刊誌、「つり人」の編集部のブログで絶賛されていた「かねや」さんの記事が目にとまりました。旅館か民宿かで悩みましたが、今回は全国の奥深い山々の民宿を泊まり歩いたプロが絶賛する宿、「かねや」さんに宿泊することにしました。ここでは詳しい宿の紹介は致しませんが、編集部のブログの記述の通りのすばらしい宿でした。

「仕事柄、山間の民宿に泊まることが多いが正直、宿の食事を心待ちにすることはなくなった。海沿いの民宿なら、時に極上の魚介類にありつけることもあるが山間の宿といえば輸入物の山菜料理にコイのアライや養殖イワナの塩焼き、冷えたエビの天ぷら、マグロの刺身などが主で、郷土料理でもてなしてくれるところは滅多にない。しかし、かねやの夕食には嬉しいを通り越して感動すら覚えた。」
(出典:月刊つり人オフィシャルブログより引用)


8月8日土曜日は南極3号とActonのみが朝から現地に向かい一足早くリバーラン、残りのメンバーは現地夕方到着という予定でした。小生は渋滞を避けるために早めに家を出て、男鹿川上流を下見しながら遅れて出発した南極3号と道の駅たじまで合流。一路桧枝岐へ向かいました。因みに男鹿川は過去に中三依駅より下流の区間をリバーランしていますが、今回は上三依塩原温泉口駅と中三依駅の区間を下見してきました。ここは以前から気になっていた区間なのですが、サクッと下れそうな雰囲気でした。


男鹿川上流の川相です。ユウ沢林道入り口付近から入渓するのが良さそうです。

さて、一人で男鹿川の下見をすませ、道の駅たじまで南極3号と合流し早速昼食の相談となりました。今回はかつてカエログに書かれていた会津バーガーを食べようということになりました。お店は道の駅たじまを過ぎて桧枝岐に向かう国道232号線沿いにあります。 コンビニのヤマザキショップみちのくと同じ敷地内にあり、同じオーナーが経営しているようです。注文するとパテを作るところから準備が始まる、完全な手作りです。きのこを主体にパテと和えたもので、ダメだしでB級の王道、マヨネーズがパテの上の鎮座した目玉焼きにからまります。バンズは市販のヤマザキパンのハンバーガーバンズか? ネガティブな意味合いではない、正統派B級グルメです。脇の甘さがたまりませんが、ストレートな味付けで、インパクトのあるハンバーガーです。付近は蕎麦屋が目に付くなかで、異色の一品。意外といけますよ。ひとつ難点を挙げると、そのB級らしからぬ値段。キノコバーガーが400円、ビーフバーガー420円です。単品の値段です。ちょっと高いですね。

しっかり腹ごしらえして桧枝岐川ローアーを下り始めたのは2時前です。今回はローアーのショートコースを南極3号と二人で下りました。ローアーは鱒滝下からの暫く下流の区間までは渓谷の趣がまだあり、落差のある瀬所々顔を出します。ミドルとアッパーとの違いはブラインドになった瀬が少ないことでしょうか。


スタート地点です。連日の雨で水は濁っていますが、日本一人口密度が低く、下水道普及率が日本一高い(100%!!)村を流れる清冽な川です。いつものようにご挨拶代わりにまず一泳ぎ。長く入っていられないぐらい冷たい水です。


















入渓と同時にアブが沢山寄ってきて、それを追い払うことためにパドリングしながらラジオ体操第一のように体捻りパドルを右へ左へ。しかし一向に去る様子がありません。自然界の掟、「ヤラレル前にヤレ」し従い、叩き潰しまくりました。それでも数は減らないんです。ゆっくり下っていると流速に合わせて追ってくるので、南極3号をほったらかしでサッサと下ってしまいました。南極3号、申し訳ない、きちんと案内できないで。

さて、ローアー区間はミドル区間ほど難度は高くありませんが、それでも前半はそこそこのドロップを伴った桂川クラスの瀬が続きます。瀬の後には瀞場が続くので、桧枝岐川入門としてはまずはこのローアーからアプローチするのがいいと思います。但し後半は川幅が広がってくるので増水していなければなかなかローアーフルコースを下るのは難しいと思います。夏の渇水期は川幅が広がる手前までなら問題なく下れます。

そこそこの瀬はありますが、敢えて挙げるならば核心部は一カ 所です。名前はありませんが、コース取りがちょっと難しい1.5m程のドロップです。前回下った際は落ち込みの直ぐ先にログがあり、ミスの許されないセクションでしたが、そのログもなくなり ルートさえ誤らなければ、素直な核心部となりました。南極3号は流石に余裕でクリアしました。


その夜はメンバーが全員揃いかねやさんでの大宴会。噂の山椒魚の天ぷらを含め山人(ヤモウド)料理に舌つづみを打ちました。


写真中央が山椒魚の天ぷらです。卵が入っていました。感性を研ぎ澄ませて味わいましたが、肉質があり、歯ごたえがあります。食感はカエルと似た印象を持ちました。「かねや」さんの食事は出処の不明な物は一切なく、すべて地場ものです。地縁のない食材がテーブルを支配しがちですが、ここ「かねや」さんは違います。



裁ちそばです。もちろん手打ち。山菜を漬けた薬味に興味津々。この薬味にも当然名前があるのですが、失念してしまいました。

「かねや」さんは夏休みに泊まりに行ったおじいちゃん、おばあちゃんの家のような雰囲気です。昭和40年代初頭のノスタルジーを感じました。



















宴の翌日。爆睡してます。
写真の中に3人いるのですが...。



翌日8月9日はいよいよミドルコースのリバーランです。天気は漕ぎ出す直前までは曇りでしたが、漕行直後に本降りになりました。水位を測る手段がない桧枝岐川は、S字ねじりの滝一段目の石の露出度合いで見当をつけます。増水時には石が完全に隠れて、一段目下は沸きあがるようなボイルです。今回は前回同様に50cm程度石が露出していました。基本的には夏場の渇水期の平常水位と思われます。

8時にかねやを後にして、漕ぎ出しが9時15分。ほぼ予定通りの進行です。ミドルの区間はカエル飛びの瀬、イナズマドロップは艇を降りてスカウティングしましたが、それ以外の瀬は、本来は艇を降りてスカウティングするようなブラインドの瀬でも降りず、細かくエディーを取りながら下りました。途中休憩は20分程度。それでも全工程の降下に4時間程度かかりました。この区間は5km程度の区間距離ですが、手古摺れば簡単に4時間を越えてしまいますので時間配分には十分注意が必要です。

善男善女のいいとこ取りのオムニバスビデオです。んー、へやっぴカヤッカーさんが一番カッコ良く写ってますね。

桧枝岐川合宿 from Acton on Vimeo.


さて、前回はへたっぴカヤッカーのラッピング事件で盛り上がりましたが、今回は僕がやってしまいました。計らずしもスプレースカートなしで桧枝岐を降下した七厘会のキコリさん並の伝説を作ってしまいました。黄金の一マイルを過ぎた頃にパドルが岩に引っかかり、なんとパドルが消失してしまいました。小生が先陣を切っていたので先に流れたかどうかは判断つきません。辺りを見渡しても影も形もありません。川の中で挟まっているようにも見えませんでした。まさに神隠し。実はこれと同じような経験を以前、御岳より上流の日原川 でしでかしてます。日原川も桧枝岐川と同じようなクリーク。まさにデジャブです。日原川でパドルを失くした時は、諦めて途中で川を上がり切り立った崖を登るはめになりました。しかし、今回は腹を決めてパドル無し、素手で艇をリーンさせながら下りきりました。桧枝岐の瀬をパドルなしで下るとスリルが倍増ですが、お薦めしません。流石に核心部のイナズマドロップだけはパドルを借りて無事に降下しました。下っている時は何とも思わなかったのですが、そういば僕のパドルはカーボン製。ご存じのようにカーボン製のパドルは安くはないんです。パドルなしで下っている時はスリルに酔いしれていたのですが、パドルだけで4,5万ってのは....トホホ。今回の一番の出来事は僕の中ではノーパドルでミドルを降下したことです。早速予備パドルとハンドパドルを注文することにしました。もちろん新しいパドルも。

我々のパーティーは腕前はさておき、安全面での装備は充実してきました。スローロープ、リバーナイフ、カラビナは常識として、AED、人工呼吸用携帯マスク、防水トランシーバー、プーリー、ロープなど完全武装です。(トランシーバーとアンピンキットはまあ、わかりますが、AEDは普通の人は持ってないですよね。) 予備パドルは全くの盲点でした。


屏風岩での集合写真。へたっぴカヤッカーは写ってませんが、一足先にウォームアップ中。





屏風岩より50メートル程下流がput in地点です。


















今回ゲスト参加のHご夫妻。新艇で登場。安定したパドリングをされるご夫妻です。



Mashi(Hさん妻)。さすがです!ブーフィングポイントを示すと飛んでくれます。


以前も書きましたが、普通の川では核心部と呼ばれるような瀬が沢山あります。写真のような瀬は桧枝岐川では普通にあるので、核心部とは呼びません。


いつもの休憩地点。ここからが黄金の1マイル。今回は昼食を抜いて後で名物の裁ちそばを食することにしました。



柿の種仙人。飛んでますね。ブーフ出来る所は今回は全員バンバン飛びまくりました。



このATのカーボンパドル、何処へいったやら。桧枝岐川で発見された方はぜひ一報を!!


桧枝岐初デビューのMashi。すっかり気に入ってしまったようです。ところで旦那さんのリバーネームは何ですか?


府中人、リベンジは如何に?


ミドル区間にはいくつかの滝が流れ込んでいますが、この滝が一番ゴージャスです。


噂のイナズマドロップ遠景です。川の流れが幅2メートル程に一気に集約されています。思わず足が竦む迫力です。今回はプレーボートで桧枝岐川を挑戦しつづける府中人以外は全員チャレンジしました。府中人さん、桧枝岐川は短いボートだとかなりキツイですよね。そろそろクリーク艇購入ですかね?


イナズマドロップへ突入するへたっぴカヤッカーさん。カッコ良すぎ!!今回は参加した女性陣、南極3号、Mashiもクリーンクリア。これは凄いです。イナズマドロップを下ったって自慢して構わないし、自慢出来るドロップです。


これはもう年賀状用ですね。イナズマドロップの中心へ突入するへやっぴカヤッカーさんの勇姿です。イナズマドロップは山梨県桂川アッパーの核心部、ハラキリと雰囲気が非常に似ています。増水しているとこの区間はさらにパワーアップします。ポーテージは可能ですのでご安心を。因みにカエルのツアーではこの区間はポーテージします。コマーシャルベースのツアーの範囲外です。

おつかれ様でした。Take out地点の堰堤手前です。



リバーランニングの後はお楽しみの裁ちそば。今回は地域で一番メジャーなまる家さん。前回は開山さんにお邪魔しました。おそばの評価は本当に難しいですね。僕はそばはそれ程食べ歩いていないので素人の戯れ言とお考えください。茹でだけの一本勝負。僅差で開山さんの方に軍配を上げたいです。まる家さんも、そして昨日泊まったかねやさんもそばと一緒に出される、独特の薬味がとても印象的でした。

11 件のコメント:

柿の種仙人 さんのコメント...

Actonさん、今回も大変お世話になりありがとうございました。楽しく、何より無事に(?)たどり着けてよかったです。でもすごい伝説になりますよ、パドルなしで降下なんて!すご過ぎます。次はいよいよS字ねじり滝しかないですね。

Acton さんのコメント...

仙人さん、先日はありがとうございました。フー、全員無事でなによりです。しかしスローバック、リバーナイフは常識としてAED、アンピンキットまで準備しているパーティーはきっと我々だけですよね。しかし予備パドルは抜けてました...。やっちゃっいました。

ところでお話されていた甲子高原の川、だんだん興味が沸いてきました。もう一度川の名前を教えていただけますか?調べてみます。

Mashi さんのコメント...

Actonさん
宿の手配からガイドまで全てに渡り本当にお世話になりました。
最初の瀬から正直大丈夫かしら?って思う位テクニカルな川ですね。
頂いた動画みて笑ってコールに応えられていない自分の姿をみて思わず失笑でした。
それにしてもパドル無であんなに綺麗に降下される方初めてみました。さすが♪!!!!
また是非よろしくお願いします。
桧枝岐にほれちゃいました♪

府中人 さんのコメント...

Actonさん、合宿では幹事役をして頂き、大変お世話になりました。
水量が少なかった(普通?)為、前回より楽しめました。次回は、秘密兵器をもって、いなずまを降下したいと思っていますが、どうでしょうか。

Acton さんのコメント...

Mashiさん、

先日は楽しんでいただいたようで何よりです。桧枝岐川、凄いでしょ!刺激が強いものは癖になるといいますが、他の川に行くともう物足りなくなってきませんか?

パドルを無くしたのはしゃれになりませんよね。木の葉が舞うように前後左右も関係なくあの瀬に翻弄されて冷や汗ものでした。

Acton さんのコメント...

府中人さん、

お疲れ様でした。やっぱりクリーク艇ですよね。新しい艇で次回は今回よりもさらに余裕のよっちゃん酢漬けイカ。

柿の種仙人 さんのコメント...

Actonさん
羽鳥ダムから流れる鶴沼川です。ダムから大川(阿賀川)合流部まで距離約17Kmで標高差が260mあります。だいたい川沿いの国道からみえる川です。大川合流後はすぐ大川ダム、ダムとダムの間の区間ですので釣りも少ないかと思われます。どうでしょうか?

fck_mototyan さんのコメント...

Actonさん、攻めていますね~。私も先月3本パドルを折りました。

Actonさんなら竿で下ったのではと期待しながら読ませていただきました。でもまあお互い気をつけて遊びましょうね。

でもいずれこのミドル区間、、、パドルクラッシャーの悪魔がいなくなったらご一緒したいですね。

Acton さんのコメント...

元やん、コメントありがとうございます。最近電話でしかお話していなくて、なかなか一緒に漕ぐ機会がないですね。

小生、福島カヌー教会の縄張り荒らしばかりで申し訳ありません。今度は甲子高原の鶴沼川に興味を持ち始めてます。クラブの方で行かれた方はいますか?情報があれば教えてください。この川は渓流釣りのメッカみたいな川で、若干の不安があります。福島はゲレンデに恵まれていて羨ましい限りです。

9月に企画しませんか?小国玉川でも如何ですか?

犬ソラ さんのコメント...

Actonさんこんばんは。
それにしてもパドルなしとは・・・Actonさんは指の間に「水かき」が付いているのではないですかっ!

遠慮は要りません。ふぐすまをどんどん開拓して下さい。
小国に行きたいですね。

Acton さんのコメント...

ソラさん、ご無沙汰しております。活動の様子はブログからうかがっています。福島には未開の川がまだまだありそうですね。うらやましい限りです。小国にはぜひご一緒させてください。