恐らく平常水位の倍ぐらい増水しているのですが、水が濁ってません。増水しても濁らない川って凄いですよね。
那珂川上流、那須地区からのダウンリバーは実は以前からラナパパと攻略をずっと狙っていました。那珂川というと、有名ななかよしキャンプグラウンド周辺の緩やかな流れを一般的にはイメージしますが、上流部はなかなかのテクニカルコースとの話で、冬の間コツコツと情報収集していました。この区間は基本的には水位が低く、また水位を測るポイントもなく、下流の黒羽の水位を参考に増水しなければ下れない区間というのが定説となっています。
今年に入ってから特に気にかけて水位を見ていましたが、当然ながら冬はなかなか増水しません。ラナパパと話す度に那珂川上流アタックの話になりますが、なかなか機会に恵まれませんでした。しかし那珂川那須地区アタックの機会はついにやってきました。昨日 土曜日は終日雨が降り、普段70cm程度しかない黒羽の水位も130cmに届く勢いでした。天気予報では日曜日は曇りのち晴れ。否が応でも期待は高まります。今だから告白しますが、実は前日は興奮して眠れませんでした。それぐらい期待の高い川でした。
当日の朝 は自宅を出るときは曇っていましたが、天気予報によると曇りのち晴れ。気にする必要は全くありません。ルンルンで那須高原に向かって車を走らせました。現地に着き、ダウンリバーし 始めるころには雨も上がって、快晴の中でチャレンジ出来ると確信していました。しかし...現地についてもまだ雨が降っています。気温もかなり低く、はっきりいって寒いです。こうなると小生のモチベーションは大幅にダウンします。雨の中のパドリングだけは苦手です。嫌いなんです。気分は乗らないし、そういうブルーな小生をリバーバディーはよく見ています。Takeさんからは「雨が降っているのでActonは来ないと思った」とまで言われる始末。雨が上がるまで温泉入って昼ご飯を食べてそれから下ろうと本気で考えながら準備を進めていたら、何と突然晴れました。こうなればもう、先ほどまでのデモチべーションは一瞬にして解消され、 一気にボルテージは上がります。まるで突然元気のいいエアロビのインストラクターになった気分でした。
那須連邦の残雪。コバルトブルーの川。そして山桜。これ以上何も望む必要はありません。
とある情報によると那珂川上流那須地区の区間は最低黒羽で100cmはないと下れないそうです。(脚注注意参照) 110cmがベストで120cmになるとホールに捕まったり、ウェーブでやられたりと大変と聞いていました。ゴールの疎水公園から見た那珂川上流は黒羽の 水位が2倍になっているので、かなり増水しているはずですが、今回のパーティーは全員この区間は初めてなのでどうもピント来ません。「水が多くて下りやす そうだね」とのんきな会話をしている次第です。
*川地図はラナパパが丁寧に作っています。小生の川地図は備忘録程度です。ラナパパの川地図には足下にも及びません。ぜひラナパパの川地図を参照にしてください。
以前も書きましたが、Google Mapでriver mapを共有しようという動きがここ1年で国外で活発になってきた感があります。日本からの登録者がかつて殆どなかったplayak.comも、最近は国内の登録者が随分増えました。小生はGoogleの回し者ではありませんが、river mapは主要サイトがほぼすべてGoogle mapをベースにしていますし、Playak.comのように一つの世界地図で世界レベルでのリバーマップの共有を考えると出来ればGoogle mapで準備した方が望ましいと思われます。
日本人はどうも情報共有が苦手で、身内だけの秘密...とやりがちですが、近年衰退著しいリバースポーツ新興のためにも川地図が増えて、より安全で楽しいリバースポーツに多くの人が触れる機会が増え、業界全体が盛り上がる事を期待しています。川地図普及の賛同者が増えることを切に望んでます。
より大きな地図で 那珂川上流那須地区 を表示
ゴールの疎水公園から川上を臨んだ写真です。初めての区間ですので平常水位の状態は知る由もありませんが、直感的に明らかに増水しているように見えます。恐らく平常水位では岩の露出がもっと多いと思われます。今回は写真のとおり岩の露出が殆どありません。この距離から見る限りは流速はあるものの何の問題もないように見えてしまいます...しかし川をなめてはいけません。下り始めて直ぐに辛口、テクニカルな川であることが判明します。写真は現地到着直後。小降りになった状態を見計らって撮りました。
今回のアドレナリン全開ぶっちぎりにチャレンジした猛者はTake-san、ラナ父、元やん、花鳥そして小生の5人のパーティーです。那珂川那須地区は全員ファーストディセンドです。この区間の情報が錯綜しており、テクニカルでクリークという話もあり、万全のレスキュー体制を整えて臨みました。
put in地点のフィッシュランドパーク下の瀬です。この岩場の終わりからいきなりレベルの高い瀬が続きます。川は真っ白、ホールは大小様々、沢山あります。川幅が広くなって一段落したと思ったらまた波に翻弄されます。ビデオカメラが衝撃でかなり揺れ動き、三脚の代わりに100均で部材を仕入れて作ったビデオカメラ固定用ポールは、衝撃で直立に耐えられず、途中でふにゃりと倒れ、そのまま気づかずに艇から引きずったまま暫く漕いでいました。
スタートしていきなりドカーンと瀬が続きます。かなりパワーのある瀬で、油断すると一気に食われそうな力強い瀬です。その後川幅が広がりますが、瀬は続きます。そして川幅が細くなりドカーンと力強い瀬に再び突入。最後は強力なストッパーウェーブです。久しぶりのアドレナリン完全放出の瀬でした。3分間に編集しましたが、フィッシュランド直後の瀬の全貌は以下のビデオで確認出来ます。
初めて下ったこの区間が増水状態ですので、平常時と比較しようがありませんが、こんな瀬がポンポン出てきます。上記ビデオの最後にあるストッパーです。
トロ場はありません。延々と瀬が続きます。
中盤のポイントです。見ての通りの激しさです。
ラナパパはこんな難度の高い増水した川でもラナを載せてケロッと下ります。
Take-さんも今日は特別に燃えていました。フィッシュランド下の瀬の次に出てくるストッパーウェーブにて。
難しいコースには必ずこの男が参上します。伝説のたけちゃんマンではありません。でも何となくたけちゃんマンに似ています。憎めない、味のある男です。現在婚活中の花鳥。
残雪が綺麗でした。
疎水公園手前の最後の難関です。カエルアドベンチャーさんのツアーで全く同じ箇所がYouTubeにアップされてますが、水量はカエルさんのツアー時点よりも多く見えます。
全員達成感のある笑みを浮かべています。いや、凄かった。閑話休題。フィッシュランドパークより上からもまだ下れそうです。これは次回の課題。どうやら参加者全員この区間の虜になったようです。我々の合い言葉は黒羽120cm。次回も黒羽で120cm越えたらまたこの区間を下っていることでしょう。6月までには間違いなくもう一度この区間を下っていると思います。(ところでこの区間は鮎釣り師さんがいらっしゃる区間でしたっけ?調べなければならないな。)
注意:この区間を何度か下っているヘタッぴカヤッカーさんから黒羽の水位について指摘を受けました。黒羽の水位でこの区間の水位を予想するのは難しいそうです。取水しており、春先のこの期間は特に灌漑用水として取水されるために黒羽の水位と疎水公園より上流の水量は必ずしも同期してないようです。写真から判断したヘタッぴカヤッカーさんによると、我々が下ったコンディションはかなり増水した状態だったらしいです。この区間はどれぐらいの水量が適量かの判断は実際に川を見て判断する以外は非常に難しいようです。