2011年8月20日土曜日

荒川大滝温泉セクション:大洞第二堰堤より下は悶絶区間

パドラーなら誰もが知る長瀞。今回漕行した区間はその長瀞から33Kmも上流にある道の駅大滝温泉近辺の荒川最上流区間です。このセクションは秩父鉄道の終点、三峰口よりもさらに8km上流で、長瀞から車で1時間程かかります。ここまで来ると周囲の風景は長瀞と全く違い人家も疎らで、視界に迫り出すような山々と谷の深いところから共鳴し地を揺する太い荒川の叫び声だけが支配しています。

秩父市内を過ぎると140号線から見え隠れする荒川はいつのまにか急峻な谷間に荒く、雄々しい巨岩を敷き詰めた渓谷相に一変します。長瀞を流れる荒川とは別の川のようです。この区間を下ったパドラーはそれ程多くいません。したがって記録も非常に少ないですが、いつものようにラナパパが素晴らしい紀行文とリバーマップを残しています。とても参考になるので、ぜひ目を通してみてください。少し古いですが、こちらも同様に参考になる資料です。

以下、ラナパパのリバーマップです。こういった資料性の高い地図を川下りする度に作成しているラナパパには頭が下がります。パドラーのコミュニティーへの貢献を考えると表彰ものだと思います。


View 荒川(道の駅大滝~高砂橋) in a larger map

さて、今回の漕行区間は落合堰堤下、道の駅大滝温泉から大洞第二堰堤(セクション1)を越え、強石堰堤(セクション2)までの約7Kmの区間です。前半のセクション1は全長5Km。鳩ノ巣渓谷や丹波川を連想する区間です。難易度は、丹波川を下れれば問題なく下れる区間だと思います。問題はセクション2です。僅か2Kmの区間ですが物理的に艇を通せない区間や、嫌らしいシーブ、ピンニングしそうなポイントなど激辛のスパイス満載の区間で、かなりチャレンジングなセクションです。この区間はポーテージするにしても足場が悪く、体力はかなり消耗します。周辺の谷も登攀技術がなければ登り上がれない絶壁で、大洞第二堰堤より先は漕ぎ出したら引き戻れないと思った方がいいでしょう。

道の駅大滝温泉。施設の裏側から川へは楽にアクセス出来ます。
セクション1は鳩ノ巣渓谷と丹波川を足したような川相です。ところどころドロップがありますが、セクション2に比べれば余裕で下れる区間です。




お昼も南極3号のノルウェーツアーの話を聞きながら楽しく談笑しました。ここまでは余裕。この先がかなりハードだとは知らされていましたが、あそこまでハードとは。
C5新人男優賞の最有力候補、ベビトラの新人、Nさん。
丹波川を彷彿させる渓相です。丹波川を下れればストレスなくセクション1は下れます。
大洞第二堰堤を下ります。これより先2Kmは覚悟をもって下る必要があります。ここから先はプロのガイドと下ることを強くお薦めします。

堰堤より下、2Kmの区間は実は柳本さんも下見をしておらず、全員で一緒にスカウティングしながら下りしました。11時にスタートしましたが、途中で昼食休憩を小一時間とった以外はトラブルもドラマも全く無かったにも関わらずテイクアウト地点で既に6時を過ぎていました。最後の担ぎ上げも丹波川並の急勾配を登ります。呼吸は乱れ、心臓はドクドク音をたて、重いクリーク艇を担ぐ肩が悲鳴上げるか上げないかというタイミングでようやく林道へ。刑期を終えて娑婆に戻った心境でした。しかし達成感があるのです。担ぎも登りも瀬も、微妙な調合で仕込まれていて、クリーキングの楽しさを満喫出来る区間だと思います。しかし、このセクション2は総合リスクがかなり高いと思います。カヤッキングの技術だけでは対応出来ないリスクがあります。この区間はプロのアウトフィッターのガイド付きで下ることを強くお勧めします。

セクション2はいきなりコース取りが難しくなります。真剣に川を読むヤリサ嬢と、余裕のクリークガールズセンターポジション、南極3号!
セクション2は道路から殆ど見えません。漕いだことがある人しかわからない世界。
左右どちらにいってもドロップしてシーブです。全員ポーテージ。



ハードなセクションでも、クリークガールズは笑顔を絶やしません。



スティーブ フィシャーでもここは通れません。艇が抜けません。ここもポーテージ。クリーク艇の重さが肩に食い込みます。


Nさん、気迫のパドリングです。度胸があります。君もアドレナリンジャンキーなんだ。

ドロップして問題ないか、慎重にスカウティング。Class 5のツアーに参加しなければここにはこれなかったと思います。


とにかく大岩だらけ。柳本さんの模範漕行。

エベレスト登山の経験もあり、山岳登山経験の豊富な南極3号は身のこなしも実に軽やか。さすがだな。








漕ぎ終わりがなんと午後6時。ノートラブル、ノードラマでもこれぐらい時間がかかりました。その後、ファーストディセントを祝して牛角で祝杯。食べ放題に挑みました。
最後にメンバー紹介です。ノルウェーでG17のツアーに参加してきたばかりの南極3号、千葉から参戦してきたおなじみのヤリサ嬢。そしてベビトラ所属でC5の新人男優賞最右翼という呼び声高い、まだリバーネームがないNさん。C5で数々の逸話を残す南極3号、ほりほりに対抗する強力な男性の出現です。今回もこの悶絶区間を根性の漕ぎっぷりでクリア。カヤックを始めて間もないのに、Nさんは既に3.7Mの水上も下っています。もうこんな所まで来ちゃって凄いとしか言いようがありません。アドレナリンジャンキーな性格はC5の2大女傑に通じるものがあります。感服しました。

荒川大滝温泉セクションは、なかなかスリリングな区間です。特にセクション2はご覧の通りの悶絶区間です。今回は全員ファーストディセントで手こずりましたが、次回はもう少し手際よく下れそうです。この区間は予備パドルも含め、完璧な装備で挑む必要があります。気軽に下れる区間ではないので十分注意してください。

2011年8月10日水曜日

コンディション最高!:増水した丹波川で送別カヤック

奥多摩湖の代表的なバックウォーターのひとつ、丹波川。首都圏ではクリーキングのエントリーリバーとして栃木県大芦川と共に最近注目を浴びています。御岳をフランチャイズとしているパドラーにとっては、丹波川は御岳から僅か40分程のアクセスという手軽さもあり、ジワジワと人気が出てきているようです。大きな流れとして御岳、丹波川、大芦川を経てから桧枝岐川へというパターンが出来つつあるように感じます。

















丹波川は比較的緩やかで線形的な落差、過度な恐怖心を感じない程度のドロップ、そして頭が混乱しない程度の岩の配列が特徴です。桧枝岐川のように川が一旦堰堤のように切れ、先が見えないブラインドや、漕ぎ出しに勇気がいる落ち込みはありません。とても素直で下りやすい川だと思います。




さて、肝心の丹波川の様子ですが、今回は過去僕が下った中では水量は最大でした。迫力のあるDRを堪能できました。柿の種仙人が作った力作の動画からも、増水の様子が伝わってくると思います。詳しくは同行した柿の種仙人、へやっぴカヤッカーさんのブログをぜひ参考にしてください。(すみません。明らかな手抜きです。)



今回のツアーを最後に府中人が仙台に転勤となります。仙台にはカヌー、カヤッククラブが複数存在するようです。そして福島には人気者の元やんを擁する福島カヌー教会があります。皆様、関東から一人皆様のお膝元に参りますのでよろしくお願いします。元やん、早速福島カヌー教会のミサに参加させてやってください。アーメン。



















なお、丹波川は2007年にカヤッカーの不幸な事故が起きています。険悪な箇所はありませんが、渓谷も深く、漕ぎ始めると道路からのアクセスも困難です。レスキュー体制を整えて出撃することは必須ですが、初めて行かれる時はClass5のツアーに参加されるか、何度か下った事がある方と行かれる事をお勧めします。


2011年7月26日火曜日

大芦川で疲労困憊そして貝料理

台風一過の増水を期待していました。大芦川は水位が増えるとその瀬の落差と相まってとてもスパイシーな川相になります。前夜の御幣橋水位が90cmあり、かなり期待して出撃したのですが...。

















現地での水位は想像より遙かに少なく、想像より遙かに多い釣り師の皆様が自慢の竿でロンドンブリッジを連ねておりました。現地に行く度に毎回言葉を交わす機会に恵まれる大鳥居下の大貫屋のご主人の話によると上流ではあまり雨が降らなかったそうです。やはり御幣橋の水位と東西大芦川合流地点近辺の水位は連動してないようです。とにかく釣り師の皆さんが沢山いたので、大変な目にあいました。詳細はよういちさんのブログをぜひご覧ください。

閑話休題。久しぶりに面白い店に行ったのでlogだけ残しておきます。貝料理の専門店です。検索すればわかりますが、都内でも貝料理のお店は2,3店舗しかありません。今回お邪魔した貝料理はまぐりさんはその中の一件で、かなり有名なお店です。このお店の前は何度も通っており、貝料理というイメージが捉えにくいジャンルが好奇心を刺激して、ずっと気になっていたお店でした。
























友人とお互いのいきつけの店に交互に行くという酔狂で、前回僕の馴染みのお店に行ったので、今回は友人のいきつけです。連れて行かれたのが新宿三丁目の貝料理はまぐりさんです。6時半の予約でしたが、店内は既に満席。さすがに人気店です。メニューはこんな感じです。



















定番、人気メニューを順番にオーダーしました。貝の刺身は看板掲げているだけあって、申し分ないのです。オリジナルの貝料理も気取らず、しっかり自己主張しており好感がもてます。特に驚いたのが夏が旬の岩牡蠣。一見本日のお薦めに1000円と書いてあるように見えたましたが、これが大きな勘違い。二人の目の前にはは立派な岩牡蛎が二杯づつ盛られたましたが、なんと一杯100円です。岩牡蠣が一杯100円なんて聞いたことがありません。普通は二杯で1000円ならちょっと安めで良心的という値頃感ではないでしょうか。マスターの話では、日本一牡蠣の値段が安い店だそうです。肉厚で滋味溢れた牡蠣だと盲目的にシャブリといきたいところ。ビールと刺身という路線からワインへ急遽変更。その後3品程度を日本酒で頂いて満腹。

岩牡蠣は夏カキとも呼ばれます。この季節、旬の岩牡蛎を食べるだけでも価値のあるお店です。和風オイスターバーとしても使えそうです。人気店なので、予約必須のお店です。詳しくは食べログで。














2011年7月12日火曜日

初夏の桧枝岐: アッパーからミドルまで全部漕ぎのはずだったが...

3週間ぶりに桧枝岐を訪れました。7月の桃源郷はすっかり夏の佇まいになっていました。舘岩から上の原のT字路を曲がると見えてくる見慣れた景色。この交差点を左に折れて、桧枝岐川が視界に入った瞬間に魂が高揚してきます。ここから桧枝岐は18kmも先で、標高差も300mあります。しかしT字路を曲がり桧枝岐川沿いに車を進めると桧枝岐はすぐそこのような気持ちがしてくるのがとても不思議です。桧枝岐川が見え隠れする気持ちのいいワインディングロードを20分も運転すると桧枝岐の村内に辿り着きます。



土曜日を移動日にした僕は、午前中はゆっくり自宅で過ごし午後6時前には現地に到着してClass5の宴会からスタートしました。普段はドーハに住んでいるリバーネーム、ドーハさんとも久しぶりに再会。宴は深夜まで続きました。

翌日は絵に描いたような快晴。なにも言うことはありません。こんなに素晴らしい日にカヤックができるなんて僕たちはなんて幸せなんだろう、そう心で呟いた朝でした。この日のカヤックの様子はへたっぴカヤッカーさんのブログを参考にしてください。
















当日はアッパーからミドルまで一気に漕ぎぬける贅沢なツアーでしたが、カエル飛びに差しかかったところで瞬く間に増水。透き通るような清流がココア色の濁流に変わってしまいました。残念ながらツアーはここで終了です。しかし、アッパーは十分漕ぎ応えがあるので参加者全員お腹一杯のツアーでした。

さて、今回はPOV撮影用の秘密兵器を投入。実践配備は今回が初めてですが、なかなか見ごたえがある動画が撮影できました。ご笑覧ください。


Early summer: Hinoemata Fukushima from Acton on Vimeo

2011年7月9日土曜日

東日本遠征清津川:伝説の清津峡から下りたかった

6月21日火曜日。東日本遠征最終日は清津川へ向かいました。清津川と言えば清津峡。清津峡より上の区間は悶絶、超絶区間として知られております。曰く、一度下り始めたら戻るに戻れない。断崖絶壁の区間が暫く続くため、事故があればヘリを要請しなければならないなどなど。

この区間はとても気になるラフティングのツアーもあります。一泊二日で前日の夕方にスタート地点でキャンプし、翌朝からラフティングが始まります。ツアー会社のHPには「まさにこの新潟ラフティングコースは国内屈指の激流4時間のロングコース!!残念ながら未経験者の参加はできません。経験者のみ参加可能だよ!船上時間”6時間”で4時間が激流だからトリッキーなコースにチャレンジしにおいでよ!」船上時間6時間のラフティングという凄まじいものです。いったいどんなコースなんでしょうか。

今回我々が下った区間は上述の区間ではありません。上記セクションのテイクアウト地点にあたる清津峡のトンネルの入り口付近からスタートして、ラピーヌという道の駅風ドライブイン付近までです。この区間の詳しい内容は柿の種仙人、へたっぴカヤッカーさんのブログを参考にしてください。(またまた手抜きです。すみません。)

















さて、前述の悶絶区間をLincoln Taylorさんがカヤックで我々より少し後の6月29日に下っています。水量が落ち着いた6月でこの程度だとすると、春先はいったいどれだけ荒れるのでしょうか?

僕が知る限りは清津川悶絶セクションの画像、動画が一般公開されるのは本邦初だと思います。ずっと知りたかった区間だけに、昨日、奇しくも僕の誕生日にこのビデオがアップされて大変感動しました。この区間を知っている人は殆どいないでしょう。大変貴重なビデオです。なお、この区間がより詳細に判る写真が111枚もFacebookに公開されています。(FBのアカウントがなければ閲覧できません)とにかく凄いので、ぜひご覧になってください。